この10年間の出火件数をみると、おおむね減少傾向で推移してきたが、ここ2〜3年は増加の傾向にあり、令和4年中の出火件数は36,314件となっています。
また、火災による死者数については、ここ3年は増加傾向にあり、令和4年中には1,452人でした。
林野火災発生件数も長期的には減少傾向で推移しており、令和4年中の林野火災発生件数は1,239件でした(昭和21年以降最も件数が多かった昭和49年には、8,351件の林野火災が発生していました。)。焼損面積は605ha(対前年比184haの減)、死者数は13人(同2人増)、損害額は3億4,468万円(同1億6,826万円増)でした。林野火災は、空気が乾燥し強風が吹く2月から4月に多く発生しています。この原因としては、この時期に火入れが行われることや、山菜採りやハイキングなどで入山者が増加することによる火の不始末等が考えられます。令和4年において、2月に福岡県北九州市において焼損面積128ha、熊本県阿蘇郡高森町において同55haの大規模な林野火災が発生しています。
林野火災の出火原因は、たき火、たばこ及び火入れによるものが圧倒的に多く、併せて、林野火災の消火には多くの困難を伴うことから、林野火災対策は、特に出火防止の徹底が重要です。消防庁では、次の事項に重点を置いて出火防止対策を推進しているところです。
また、毎年、林野庁と共同で、春季全国火災予防運動期間中の3月1日から3月7日までを全国山火事予防運動の統一実施期間とし、統一標語を定め、テレビ、新聞、ポスター等を用いた広報活動や消防訓練等を通じた山火事予防を呼びかけています。